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夜汽車のバッタ

りっぱでしょう、うちのイヴ君です。
りっぱだけど、一番臆病なんだ。

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夜の電車の中に響く若い女性の叫び声。
  「キャーッ!」
皆が一斉に彼女たちの方を見る。
またまた
  「ワーッ!」
彼女たちは席を立ってじだんだを踏んでいる。
  
次に今度は私の方を指さして何やら言っている。

えっ、私?

隣に座っていた若い男性が私を見て

 「あっ、肩に・・・」

見ると小さなバッタ。

 「バッタ・・・」

その若い男性とハモッた!
  


 「何事かと思ったら、ちっちゃなバッタ!」
言外にその意味を込めて顔を見合わせてしまいました。

  私「どうしよう・・・。どうしようもないね。」
  男性「そうですね。」

そのうち、バッタもどこかに行ってしまって。

うつらうつらしたり、本を読んだり・・・
一時間半の電車旅が終わり
降りましょう。

その男性も同じ駅で降りる様子。

  男性「バッタ、どこ行ったかなあ。」
  私「あっ、あそこ」

電車の天井を指さしました。

電車を降りて、思わず「さようなら」
と言ってしまった。

ニッコリ笑って「さようなら」と返してくれた。


チノパンにチェックのシャツ。
デッキシューズを履いていました。
黒いセルぶちのめがね

私の中にある永遠の好ましい青年の姿。

ほとんどの人がスマホをいじっている中、
彼は錦織さんの特集らしいテニス雑誌を、
私は文庫本を読んでいた。

たったそれだけのつまんない話だけど、
なんか、いい感じでした。

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P9154602.jpg
もうすぐ納品です。




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三重県菰野町の手づくり家具やウッドベリーの「森の中のふたりと4匹」の物語を綴っています。

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